おいしいパンとエスプレッソ、ワインが地元にある幸せ。江古田の魅力を底上げする〈パーラー江古田〉の存在感。
池袋線
江古田駅

おいしいパンとエスプレッソ、ワインが地元にある幸せ。江古田の魅力を底上げする〈パーラー江古田〉の存在感。

日本大学芸術学部、武蔵野音楽大学、武蔵大学の3つの大学がある西武鉄道池袋線江古田駅。“学生の街”として知られていますが、ここに、都内のみならず全国のパン好きがわざわざ目指してやってくるお店があります。それが〈パーラー江古田〉。2006年のオープン以来、今やこの街の魅力を担う1軒に。店主・原田浩次さんとお店の歴史を振り返るとともに、この街との結びつきを語っていただきました。

原田浩次さん 西武線在住歴14年

武蔵大学に在学中にひばりヶ丘駅、その数年後に小竹向原駅エリアに住み、店の移転とともに江古田へお引越し。

車でエスプレッソ屋を始めるつもりが……。江古田にパンの聖地が誕生した理由とは?

ショーケースには、小麦やレーズン酵母を使った全粒粉やライ麦のハード系のパン、食パン、バターたっぷりのブリオッシュなど、店内で焼き上げる種類豊富なパンがずらり。その一つひとつが、個性的で存在感たっぷりの〈パーラー江古田〉のパンたち。そのおいしさは都内でも屈指の評判ですが、「うちはパン屋と思われがちですが、スタートはエスプレッソ屋なんです」と原田さん。

ワーキングホリデーでオーストラリアに住んでいた頃、エスプレッソマシンを置いたカフェに出会い、その影響を受けてカフェを開きたいと思ったのが〈パーラー江古田〉の原点だと言います。

「今も僕の中では『エスプレッソを出すお店』というのは変わりません。パンを出すようになったのも、コーヒーのお供に出すサンドイッチの材料として焼き始めたのがきっかけですから。今みたいに、こんなに主力商品になるとは夢にも思っていませんでした」

そんな意外な事実に加え、お店を江古田に構えた経緯にもおもしろいエピソードが。

「その当時、古いフォルクスワーゲンのバスに乗っていて、それでお店をやろう思っていました。家から近いし、武蔵大学出身で馴染みもあったので江古田に場所を探しに来て。物件じゃなくて車が置ける空地を探していたんです。でも同時期に、免許を取り上げられてしまって(笑)。車で店をやるのが断たれ、仕方なく不動産屋に行ったら、ちょうどリーマンショック後で安く物件を借りられたんです」

お客さまと会話しながら「おいしい」を共感し合いたい。

そうして、江古田駅北口に位置する約8坪の小さなテナントを借り、念願のカフェをオープン。武蔵野音大が近くにある立地も追い風になったとか。

「音大の教授や学生さんって、ある程度ヨーロッパを意識している人が多いから、僕らが提供するエスプレッソやパンが受け入れられやすかった。BGMになんとなく雰囲気でオペラを流していたら、たまたまお客さまがオペラ歌手で曲のことやイタリアのことを教えてくれたり。カウンター7席の狭いお店でしたから、お客さまと自然と会話が始まるのが日常でしたね」

原田さんの作るパンが地元でたちまち評判になり、雑誌やメディアに取り上げられることも増え、〈パーラー江古田〉はこの街の顔になるまでに発展。広いカフェスペースと工房を備えた現在の一軒家に移転してからも、お客さまとよく“会話”をする原田さんの接客スタイルは変わりません。

「それは、僕の“おいしい”を伝えたいから。『おいしいよね?』 と共感を得たいから、お客さまとあれこれ話をしながら提案しています」

イートインのメニューにも、パンそれぞれに使用している酵母や味の特徴が詳しく書かれていて読み応えたっぷり。“おいしいがちょっと食べづらい”など正直すぎる解説は、まるで原田さんと話しているような気分になれたりも。

「おいしいパンが食べられるから、江古田に住もう」。そんな存在になれたらうれしい。

原田さんは〈パーラー江古田〉のほかに、小竹向原の保育園に併設されたカフェ〈まちのパーラー〉と、半年前に江古田にオープンした自然派ワインの角打ち兼販売所〈パーラーさか江〉を運営。〈さか江〉ではワインの試飲(有料)をしながら、ワイナリーや作り手さんの話などを聞きつつワインを選ぶことができます。最近はもっぱらこちらにいる時間が多く、ご近所の飲食店の方やワイン好きもふらりと訪れ、江古田の新たなたまり場にさっそくなっている様子。

3・6・9・12月の第2日曜日には、南口にあるベトナム料理店〈MaiMai〉の店主とともに「ろじものや」という食のマルシェを主催しています。

「都心の大きなマルシェまでわざわざ行っている人たちに、地元でそれができるようにしてあげたくて。飲食店もそう。近所にいいお店があれば、みんな仕事帰りにまっすぐ帰ってきて地元で食べたり飲んだりできますよね。そのほうが、ちょっと飲み過ぎても歩いてすぐ帰れていい」

住む人の需要が住む場所で満たされれば、「町も人も豊かになり、フードマイルも減らせる」と原田さん。最後に、原田さんが最近のこの町で起きたうれしかったことを教えてくれました。

「新築マンションの周辺情報に載せてもらうことが増えてきて、それが地味にうれしいです(笑)。スーパーまで徒歩何分、学校まで徒歩何分、〈パーラー江古田〉まで徒歩何分ってインフラのひとつとして紹介されていて。『おいしいパンが食べられるから江古田に住もうか』ってなるのが、僕らにとってすごく大きいし喜ばしい。そんなきっかけになる場所がどんどん増えていくように、同じ熱量を持つ人たちと一緒に沿線を盛り上げていきたいですね」

今回ご紹介した〈パーラー江古田〉について

〈パーラー江古田〉
■住所:東京都練馬区栄町41-7
■電話:03-6324-7127
■営業時間:8:30~18:00
■定休日:火

(photo:Jiro Fujita/photopicnic text:Ayano Sakai)

Hanakoと西武鉄道が「Hanako w/ Seibu -秋のピクニック-」を開催。

「Hanako w/ Seibu」初となる本イベントでは、江古田駅のシンボルであるパン屋「パーラー江古田」と、銀座・肉の巨匠「マルディグラ」による夢のコラボレーションが実現。両店の店主がその場で腕を振るい、料理をご提供するライブ感満載のイベントです。ここでしか味わえないスペシャルメニューはもちろん、Hanako編集長が司会を務める、個性豊かな店主の方とのトークセッションも予定しています。みなさま奮ってご応募ください。

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お気に入りスポットを聞きました!

駅前にある江古田浅間神社は、「ここの駐車場でエスプレッソ屋をやりたかった」というほど原田さんのお気に入りの場所。本堂の横にある富士塚は「登ったことはないんだけど、以前からずっと興味があって」と原田さん。
江古田浅間神社の富士塚
駅前にある江古田浅間神社は、「ここの駐車場でエスプレッソ屋をやりたかった」というほど原田さんのお気に入りの場所。本堂の横にある富士塚は「登ったことはないんだけど、以前からずっと興味があって」と原田さん。
国の重要有形民俗文化財に指定されている、高さ約8メートル、直径約30メートルの「江古田の富士塚」(通称:江古田富士)。普段は立ち入り禁止で、正月三が日、7月1日の山開き、9月の第2土・日曜のみ登拝できます。
江古田浅間神社の富士塚
国の重要有形民俗文化財に指定されている、高さ約8メートル、直径約30メートルの「江古田の富士塚」(通称:江古田富士)。普段は立ち入り禁止で、正月三が日、7月1日の山開き、9月の第2土・日曜のみ登拝できます。
うっそうと茂る森に囲まれた岩山を頂上まで登ると、清々しい気分に。年に三度のチャンスを狙って、江古田で富士登山してみては? 神社は江古田駅北口の階段を降りて目の前にあります。■住所:東京都練馬区小竹町1-59-2
江古田浅間神社の富士塚
うっそうと茂る森に囲まれた岩山を頂上まで登ると、清々しい気分に。年に三度のチャンスを狙って、江古田で富士登山してみては? 神社は江古田駅北口の階段を降りて目の前にあります。■住所:東京都練馬区小竹町1-59-2
武蔵大学ご出身の原田さん。「古い建物が好きなんです。この大講堂は早稲田大学の大隈記念講堂や日比谷公会堂を手がけた、建築家の佐藤功一氏が設計したんですよ。外観も内観も造りがかっこいいです」
武蔵学園大講堂
武蔵大学ご出身の原田さん。「古い建物が好きなんです。この大講堂は早稲田大学の大隈記念講堂や日比谷公会堂を手がけた、建築家の佐藤功一氏が設計したんですよ。外観も内観も造りがかっこいいです」
ゴシック様式の構造も残しつつ、近代的で合理的な空間をめざしたモダニズムの息吹きが感じられる意匠。随所にクラシカルな風合いが漂う講堂は、映画や音楽PVのロケ地として利用されることも多いそうです。
武蔵学園大講堂
ゴシック様式の構造も残しつつ、近代的で合理的な空間をめざしたモダニズムの息吹きが感じられる意匠。随所にクラシカルな風合いが漂う講堂は、映画やドラマのロケ地として利用されることも多いそうです。
2016年2月17日に「武蔵大学3号館」とともに、練馬区の登録文化財に。講堂の一般開放は通常行っていませんが、2階の展示室は誰でも見学が可能です。■住所:東京都練馬区豊玉上1-26-1 ■電話:03-5984-3748(平日10~16時・武蔵学園記念室)
武蔵学園大講堂
2016年2月17日に「武蔵大学3号館」とともに、練馬区の登録文化財に。講堂の一般開放は通常行っていませんが、2階の展示室は誰でも見学が可能です。■住所:東京都練馬区豊玉上1-26-1 ■電話:03-5984-3748(平日10~16時・武蔵学園記念室)
ランチはハンバーガー、夜はお肉と自然派ワインがメインのお店。「赤身肉の炭火焼きが絶品! 〈パーラーさか江〉のワインも扱ってもらっていて、ここで飲んだ帰りに、さか江に寄ってくれるお客さんもいらっしゃいます」(原田さん)
肉と野菜とナチュラルワイン さとう
ランチはハンバーガー、夜はお肉と自然派ワインがメインのお店。「赤身肉の炭火焼きが絶品! 〈パーラーさか江〉のワインも扱ってもらっていて、ここで飲んだ帰りに、さか江に寄ってくれるお客さまもいらっしゃいます」(原田さん)
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肉と野菜とナチュラルワイン さとう
門崎丑100%のビーフパティは、中はレアに仕上げた旨みたっぷりの逸品。バンズは〈パーラー江古田〉の特製バンズ(+150円)に変更も可能です。半生ハンバーガーセット1,360円(肉120g、バンズチェンジ)、自然派ワイングラス750円
店主の佐藤さんは江古田ご出身で、昨年3月にこの店をオープン。岩手の門崎丑や熊本の赤牛などの炭火焼と、福島にある斉藤農園の有機野菜を使った料理を味わえます。■住所:東京都練馬区栄町40-12 ■電話番号:070-3991-4430 ■営業時間:11:30~16:00(15:30LO) 18:00~22:00(LO) ■定休日:不定休
肉と野菜とナチュラルワイン さとう
店主の佐藤さんは江古田ご出身で、昨年3月にこの店をオープン。岩手の門崎丑や熊本の赤牛などの炭火焼と、福島にある斉藤農園の有機野菜を使った料理を味わえます。■住所:東京都練馬区栄町40-12 ■電話番号:070-3991-4430 ■営業時間:11:30~16:00(15:30LO) 18:00~22:00(LO) ■定休日:不定休

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