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新宿線
新所沢駅

日常に寄り添うフラワーショップ〈Sumika〉。住まいと商いが近くにある新所沢だからできること。

ひと際にぎわう「所沢」駅とは打って変わって、静かで落ち着いた雰囲気の「新所沢」駅。街の人たちは親しみを込めて、“しんとこ”と呼びます。街の花屋や都内の大手フローリストで働いていたという下田浩明さんは、2020年4月、自身が暮らす街の一角で花屋を始めました。できる範囲で少しずつオープンしてもうすぐ一年。今ではすっかり、“しんとこ”の街に馴染んでいました。
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下田浩明 西武線在住歴約36年

生まれも育ちも所沢。街の花屋で7年、大手フローリストで7年勤務後、2020年4月、新所沢に〈Sumika〉をオープン。

地元・所沢界隈で、小さな花屋を始めるということ。

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新所沢にお住まいだという下田さん。独立し、お店をやろうと思った時、“しんとこ”で探したのだといいます。駅から歩いてすぐ、隣にはパルコもあるという好立地。地元の方がふらりと寄ってくれるのだそう。今まではお花を買いに、都内まで行っていたという方も、〈Sumika〉ができてから行かなくて済むようになったと喜ばれたといいます。

「お花が好きな方が通ってくれています。お子さん連れの30代の方が多いですが、幅広く色んな方に来ていただいています。普段のお花を購入されたり、グリーンを買いに来たり。80代のおばあさんも通ってくれているんですが、すごく素敵な方で、自分の好きなものを組み合わせて楽しんでいる感じが、いつもいいなと思っていて。僕がいいなと思って仕入れたものを手に取ってくださったりと趣味が合うんですよ」

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都内で働いていた下田さんですが、地元の所沢界隈に戻りたいという思いがありました。いつかは独立したい。その思いで物件探しをスタートし、この場所を見つけました。

「嫁が2年だったら好きなことをしてもいいと後押しをしてくれて。それまでになんとかならなかったら、あきらめよう、と。厳しくも愛のある意見だと受け止めています」

オープン時、世はコロナ禍。オーダーからまずは受け付け、できる範囲で少しずつお店をオープンし始めました。

「その頃、子どもを保育園にも預けられなくなったので、自宅で子どもを見ていたんです。自分の生活とのバランスを考えながら、お店を開けたり閉めたり。そうやって様子を見ながらお店を始めました。それができたのはよかったですね」

そうやって自分の暮らしを主軸に置きながらお店を営むことができたのも、自分のお店だから。家で過ごすことが多くなった分、お花を買いに来てくれる人や、朝、散歩がてら、お店ができたことに気づいてくれる人も。そうして、〈Sumika〉の存在が、この街に暮らす人たちに知られていくこととなりました。

街の花屋からスタートして、街の花屋になるまで。

観葉植物や鉢、球根など、下田さんの好きなものたちが並ぶ店内。
観葉植物や鉢、球根など、下田さんの好きなものたちが並ぶ店内。

街の花屋さんで働き始めたことをきっかけに花の世界へ。独立するまで、14年間、働いてきました。なぜお花だったのか。そのきっかけを聞いてみると、意外な答えが。

「本当にたまたまなんです(笑)。お金もなくて、とりあえず何かアルバイトしないといけないなと思っていた時に見かけた張り紙が、たまたま花屋の募集だったんです。でも、そんなきっかけとはいえ、大変ながらも夢中で楽しかった7年間でした」

今度は、もっといろいろやってみたくて、大手のフローリストへ就職し、7年間働いたという下田さん。ブライダルの飾り付けやコンテストにも出場するなど、活躍の場を広げていきます。

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「ブライダルでは、いいお花を贅沢に使うことができました。2016年頃、コンテンストに出してみない?と声をかけられて、参加してみたら、初めてながらいい成績を残すことができたんです。そこからどんどんおもしろくなって、ひたすら没頭してはのめり込んでいきましたね」

好きなようにお花を使えることはもちろん、テーマに合わせて自由に表現できることがおもしろいと感じ、また、それに伴って結果もついてきた。コンテストの楽しさ、おもしろさにのめり込みながらも、いつかは独立して、自分の店を持ちたいという思いがふくらんでいきました。

ときめくお花に囲まれて。お花を楽しむ秘訣は、好きなお花を選ぶこと。

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お店に並ぶのは、お花だけでなく、草や豆の花、枝ものなど、素朴なお花もそろいます。どういう基準でセレクトしているのかお聞きすると、「自分がほしいかどうか、ときめくかどうかで選んでいます」と答えてくれました。

「春は一番、お花の種類が多くなるので、これからが楽しいですよ。もうすぐミモザですし、秋は実物も多くて楽しいですし、冬は針葉樹。季節によってお花を楽しんでもらえたら」

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お花だけじゃなく観葉植物や多肉、サボテンなどのグリーンも販売。今後は、もっとマニアックなものも取りそろえていく予定だそう。

「うちのお客さまはみんな長居してくれるのでいろいろお話をするんですが、『私はセンスがないから、どうやって飾ったらいいかわからない』とおっしゃる方がいるんです。お花の飾り方には正解もなければ決まりもありません。好きなものをご自由に選んでいただけたら。その時にピンと来たものでいいんです。もちろん、『おまかせ』でと言われるのもいいけれど、必ず1本は好きなものを選んでくださいと伝えています。その1本に僕が合わせてつくります」

春のお花畑のようなブーケ。カラフルで色とりどりの花は見ているだけで明るい気持ちに。まだ寒い日が続くけれど、家の中には一足早く、春が訪れたよう。
春のお花畑のようなブーケ。カラフルで色とりどりの花は見ているだけで明るい気持ちに。まだ寒い日が続くけれど、家の中には一足早く、春が訪れたよう。

最後に、新所沢の魅力を聞いてみると、「ほどよく田舎、ちょうどいい感じ」という答えが返ってきました。

「”しんとこ”いいですよ。所沢も住んでいましたが、所沢よりも公園が多くて、病院も徒歩圏内にあるし、もう離れられないですね」

ローカル感があって、どこかホッとする。暮らしに根ざした街には、花屋さんがよく似合います。

「今年は順調ではなかったけれど、悪くはない一年でした。毎週来てくれるお客さまもいるし、本当に多くの人に助けられていると実感します。街の人が、本当にいい方たちばかりで。その存在に助けられています」

今回ご紹介した〈sumika〉について

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住所:埼玉県所沢市緑町2-7-1 1階
電話:090-5200-1353
営業時間:11:00〜18:00
定休日:日・月曜(臨時休業あり)
https://floristsumika.shopinfo.jp/
※2024/2/28時点の情報
※記事に掲載されている情報は取材時のもので、現状と異なる場合がございます。

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(photo:Natsumi Kakuto text:Kayo Yabushita)

お気に入りスポットは?

ドリップコーヒーは豆を選べて530円〜(税込)。下田さんのお気に入りは中煎りのニカラグア。自家製チーズケーキ530円はしっとり濃厚で、コクがありながらもさっぱりとしたコーヒーのお供にぴったり。
〈lit coffee service〉
ドリップコーヒーは豆を選べて530円〜(税込)。下田さんのお気に入りは中煎りのニカラグア。自家製チーズケーキ530円はしっとり濃厚で、コクがありながらもさっぱりとしたコーヒーのお供にぴったり。
〈Sumika〉は、出張花屋として月に一度、コラボイベントを開催。カレーと花とコーヒーが一度に楽しめます。住所:埼玉県所沢市小手指町2-11-10 営業時間:11:00〜18:00 定休日:金曜、焙煎日 https://www.instagram.com/lit_coffee_service/?hl=en
〈lit coffee service〉
〈Sumika〉は、出張花屋として月に一度、コラボイベントを開催。カレーと花とコーヒーが一度に楽しめます。住所:埼玉県所沢市小手指町2-11-10 営業時間:11:00〜18:00 定休日:金曜、焙煎日 https://www.instagram.com/lit_coffee_service/?hl=en
小手指の住宅街に突如現れる、素敵なコーヒースタンド〈lit coffee service〉は、2019年12月にオープン。店内には大きな焙煎機があり、店主の尾宮さん自ら焙煎。浅煎りを中心にニカラグア、ブラジルなどの豆がそろいます。
〈lit coffee service〉
小手指の住宅街に突如現れる、素敵なコーヒースタンド〈lit coffee service〉は、2019年12月にオープン。店内には大きな焙煎機があり、店主の尾宮さん自ら焙煎。浅煎りを中心にニカラグア、ブラジルなどの豆がそろいます。
下田さんにとってのソウルフードともいえるラーメンがこちら。オーダーはいつも、中華そば(コッテリ)850円、もやし、たまごをトッピング、にんにく(各100円)は別皿で(すべて税込)。※写真はコッテリではなく通常の中華そば。
〈中華そば専門店 まるいち〉
下田さんにとってのソウルフードともいえるラーメンがこちら。オーダーはいつも、中華そば(コッテリ)850円、もやし、たまごをトッピング、にんにく(各100円)は別皿で(すべて税込)。※写真はコッテリではなく通常の中華そば。
夜から深夜にかけての営業で、夜になればなるほど店内は賑わいます。「友だちと飲んだ後に漫画を読みながら、ここで〆るのが最高です」(下田さん)。醤油ベースのコクのある豚骨スープと抜群に合う太麺が、夜の小腹を満たしてくれます。
〈中華そば専門店 まるいち〉
夜から深夜にかけての営業で、夜になればなるほど店内は賑わいます。「友だちと飲んだ後に漫画を読みながら、ここで〆るのが最高です」(下田さん)。醤油ベースのコクのある豚骨スープと抜群に合う太麺が、夜の小腹を満たしてくれます。
東京所沢線と呼ばれる県道沿いにあります。住所:埼玉県所沢市星の宮1-2-8  電話番号:04-2925-7515  営業時間:11:00〜15:00、18:00〜22:00  定休日:日・月曜(臨時休業あり)
〈中華そば専門店 まるいち〉
東京所沢線と呼ばれる県道沿いにあります。住所:埼玉県所沢市星の宮1-2-8 電話番号:04-2925-7515 営業時間:11:00〜15:00、18:00〜22:00 定休日:日・月曜(臨時休業あり)
「ただただおいしい!」と下田さん太鼓判のお店で、下田さんのオススメはチーズバーガーとアボカドバーガー。食べた瞬間、ゴロゴロと肉の塊を感じながらも柔らかく、その絶妙なバランスに誰もが唸るはず!
〈Choppersハンバーガー&カフェ〉
「ただただおいしい!」と下田さん太鼓判のお店で、下田さんのオススメはチーズバーガーとアボカドバーガー。食べた瞬間、ゴロゴロと肉の塊を感じながらも柔らかく、その絶妙なバランスに誰もが唸るはず!
ブロック肉から店主自ら丁寧に作るという牛肉100%のパティはとってもジューシー。レタス、トマト、炒めたオニオンが甘みをプラス。チーズがたっぷりかかったパティを思いきり頬張って。チーズバーガー1420円、ポテト200円、コーラ420円(いずれも税込)。
〈Choppersハンバーガー&カフェ〉
ブロック肉から店主自ら丁寧に作るという牛肉100%のパティはとってもジューシー。レタス、トマト、炒めたオニオンが甘みをプラス。チーズがたっぷりかかったパティを思いきり頬張って。チーズバーガー1420円、ポテト200円、コーラ420円(いずれも税込)。
住所:埼玉県所沢市小手指町3-11-19 1階A号 電話番号:04-2941-4820  営業時間:11:00〜15:00(14:45LO)   定休日:金曜 ※最新情報はInstagramをご覧ください https://www.instagram.com/choppers_burger.and.cafe_
〈Choppersハンバーガー&カフェ〉
住所:埼玉県所沢市小手指町3-11-19 1階A号 電話番号:04-2941-4820 営業時間:11:00〜15:00(14:45LO) 定休日:金曜 ※最新情報はInstagramをご覧ください https://www.instagram.com/choppers_burger.and.cafe_