ものくらす
池袋線
入間市駅

「楽しい!」と思える暮らしを応援。街の工務店が手がける、家づくりがもっと楽しくなる〈ものくらす〉

錆びついた倉庫、味のあるレンガにドア。アンティークショップのような雰囲気の〈ものくらす〉。中には所狭しとかわいい雑貨が並び、さらに奥へと進むと、古い家の建具や瓦、レンガなども置いてありました。ここは諸井昌典さんが手がける〈諸井工務店〉が運営するインテリアショップ。雑貨の販売のほか、壁を塗りたい、ドアの取っ手を変えたい、照明を変えたい、家を作りたい。そんな希望も、ここならきっと叶います。
もの

諸井昌典 西武線在住歴48年

入間市生まれ、入間市育ち。高校卒業後、家業を継ぐべく諸井工務店へ入社。「楽しい家づくり」をモットーに、個性あふれる家づくりを手がける。

暮らしをもっと楽しくするためのヒントがいっぱい。

ものくらす

とんがり屋根の不思議な建物とアンティークな雰囲気の外観がひときわ目を引きます。かつて結婚式場だったという建物を改築し、2011年にインテリアショップ〈ものくらす〉と〈M・K CAFE〉としてオープン。

入ってすぐにはキッチン雑貨や生活雑貨が並んでいますが、もっと奥へと進んでいくと、大きなハンモックや古いレンガ、瓦などが置かれ、ほかにもトイレットペーパーホルダーや電源コードカバー、扉のつまみや取っ手、壁を塗るペンキに刷毛などのDIYグッズ、古民家解体で出てきた建具のほかにも、アンティークな古道具やレコードまで並び、まるで宝物探しのよう。ここはただのインテリアショップではなく、〈諸井工務店〉が手がけるホームセンターのようなお店なのです。

ものくらす

「ここは、“くらすもの”を置いているから〈ものくらす〉なんです。〈ものくらす〉は、家をつくったあと、お客さまが自分の暮らしをより豊かにできるようなものを売っていて、家を建てたOBのお客さまとまたつながっていく場になったらいいなと思ってここをつくりました。これからはもうちょっとDIY色を強めていって、ホームセンターというか、雑貨+DIYのグッズをもっと充実させていこうと思っているところです。メンテナンスするものや装飾するもの、照明器具なども置いて、工務店のほうと連動させていきたいなと思っています」

古民家を解体するときにもらってくるという古いドアや引き戸などの建具も。なかなか手に入らないお宝がいっぱい眠っている。
古民家を解体するときにもらってくるという古いドアや引き戸などの建具も。なかなか手に入らないお宝がいっぱい眠っている。

楽しい家づくりを一緒に。アイデア満載、力強い工務店の存在。

ものくらす

父、祖父、曽祖父もみんな大工という家系に生まれた諸井さん。高校卒業後は進学せず、大工の道へと進むことに。

「しかし、父親の代になると工業化が進んで、テクニックを使わなくて済む工程が増えてきてしまった。プラモデルみたいに誰でも家がつくれちゃうんです。そうやって大工が楽をしてしまっているうちに工務店の仕事がなくなってしまった。うちの親父もそうでした。でも自分は、これは原点回帰だと考えて、昔のやり方と本物の材料を使った家づくりをしたいと考えてやってきたら、それに賛同してくれる人が増えてきたんです」

〈ものくらす〉から歩いてすぐにある、2022年2月販売が始まった分譲地「クラフト・ライフ・タウン鍵山」も〈諸井工務店〉が手がけています。全12棟のうち何区画かはDIYを楽しみながら建てる、お客さま参加型の分譲地もあるとのこと。

2022年秋頃、「クラフト・ライフ・タウン鍵山」のモデルハウスが完成予定。都内から飯能や入間に移住したいという人が増えているという。
2022年秋頃、「クラフト・ライフ・タウン鍵山」のモデルハウスが完成予定。都内から飯能や入間に移住したいという人が増えているという。

「 “できることは自分でやりましょう”というのがうちの家づくりのモットー。壁を塗ったり、タイル貼りなどはなるべくお客さま自身でやってもらっています。量産メーカーではできない楽しさを感じてほしいんです。分業制で流れ作業でやっていくんじゃなくて、一棟一棟しっかり指示と思いを明確に伝えて、お客さまの思いを込めてつくっていく。基本的にはお客さまの家づくりなので、そこを一緒に足並みをそろえてお手伝いしていくことを大事にしています」

今まで〈諸井工務店〉が手がけた施主の方のファイル。家のネーミングは施主自身が考える。それぞれのこだわりと思いの詰まった家は世界のひとつだけのもの。
今まで〈諸井工務店〉が手がけた施主の方のファイル。家のネーミングは施主自身が考える。それぞれのこだわりと思いの詰まった家は世界のひとつだけのもの。

〈諸井工務店〉が手がける家の特徴のひとつが、「DO間(ドゥーま)」と呼ばれる土間。土足で入れる玄関スペースを広く取ることで、何かを“DO(する)場所”として活用してほしいと、この名が付けられました。

飯能市永田台にある展示場のDO間。玄関から入ってすぐの広々とした空間をどのようにして使うかは住まい手次第。(写真提供:諸井工務店)
飯能市永田台にある展示場のDO間。玄関から入ってすぐの広々とした空間をどのようにして使うかは住まい手次第。(写真提供:諸井工務店)

「土間は置く場所ではなく、動く(DO)ためのものと考えています。ものづくりの場所として使ったり、お店をやる場所でもいい。外から来る人と交流できる場所でもあるんです。ギャラリーのようにも使ったり、コーヒースタンドとして使ったり。住む人のアイデア次第でいかようにも使えるんですよ」

ほかにも、諸井さんの家は、古い古民家の解体をして手に入れた欄間や引き戸などを随所に活用したり、和ダンスを靴箱にしたり、昔の消火器を外水道として利用したり、立派な岩風呂もあったりと、おもしろいアイデアがいっぱい。日本家屋の解体時にもらってきたという江戸時代の大きな漬物樽は、庭に置いて離れとして活用するなんてアイデアもあったりと、諸井さんのさまざまな事例やアイデアを聞いてるだけでワクワクしてきます。

原風景がちゃんと残る入間エリアは、暮らしやすい街。

ものくらす

諸井さんは生まれも育ちも入間市。このエリアから離れたことはないのだそう。家づくりを手がけるエリアも飯能、入間が中心だといいます。

「飯能でもいま分譲地を手がけていますがオススメですよ。都内で飲んで帰ってきても特急ラビューに乗れば、終点が飯能なんで、寝ちゃっても起こしてもらえますから(笑)。自分もだいたい寝過ごして飯能まで行っちゃうので。入間市は、入間川が流れていて、加治丘陵があって里山としての原風景がちゃんと残ってるんです。古い木造建築が結構残ってて〈旧石川組製糸西洋館〉はドラマの撮影にも使われてたりするんですよ。ほかにも、有名人も出演するライブバーや川魚専門のお店もあったりとオススメのお店がいろいろあるんです」

最後に、住宅だけでなく店舗も手がけ、設計から施工、土地の売買まで。リノベーションや雑貨、インテリアの販売までもを手がける〈諸井工務店〉で、諸井さんの担当は?と問うと「メインはお客さまと飲みに行くことですかね(笑)」と冗談を交えつつ、こう答えてくれました。

ものくらす

「お客さまのお役に立つことですかね。引っ張っていくというか、悩んでいるときにはある程度、促していくこともあります。一緒にお施主さんも楽しむという感じかもしれません」

人生において一度きりの家づくりは初めてのことばかり。そんな中、諸井さんの役割は「楽しませる」こと。

「いろんな手を使います(笑)。楽しませながら、悩ませながらも提案しながら、一軒一軒、家づくりを一緒に行う。楽しいんですよ。仕事というより遊びの延長みたいで」

家づくりは、「究極の遊び」というお客さまもいたり、家づくりに目覚めて〈諸井工務店〉で働き始めた人もいるほどなのだとか。諸井さんとなら、一生に一度の家づくりが、きっと楽しい遊びになるはずです。

【今回ご紹介した〈ものくらす〉について】

ものくらす

◾️住所:埼玉県入間市鍵山2-8-25
◾️電話:04-2968-4709
◾️営業時間:11:00~17:00(※現在カフェは休業中)
◾️定休日:火曜、毎月末水曜
◾️公式サイト:http://monokurasu.com
※記事に掲載されている情報は取材時のもので、現状と異なる場合がございます。
※2024/2/28時点の情報

(photo:Kaori Oouchi text:Kayo Yabushita)

お気に入りスポットは?

〈ものくらす〉から歩いてすぐ。お刺身の盛り合わせは1.5人前なのにものすごい量!1人前1500円〜、日本酒1杯580円〜と安くて驚きます。レアなお酒も並び、日本酒好きにはたまらないお店です。
〈越後 じょんのび亭〉
〈ものくらす〉から歩いてすぐ。お刺身の盛り合わせは1.5人前なのにものすごい量!1人前1500円〜、日本酒1杯580円〜と安くて驚きます。レアなお酒も並び、日本酒好きにはたまらないお店です。
「地元の人が釣った魚を持ち込んで、それをおいしい料理にして出してくれる。自分も釣れると持っていきます。俺が釣った鯛の剥製(9kg!)が飾ってありますよ(笑)」と諸井さん。お客さまが釣ってきた魚は1皿すべて500円とのこと!
〈越後 じょんのび亭〉
「地元の人が釣った魚を持ち込んで、それをおいしい料理にして出してくれる。自分も釣れると持っていきます。俺が釣った鯛の剥製(9kg!)が飾ってありますよ(笑)」と諸井さん。お客さまが釣ってきた魚は1皿すべて500円とのこと!
「じょんのび」とは新潟の方言で「ゆっくり」「のんびり」という意味。カウンターに座ると地元の人とすぐに打ち解けます。住所:埼玉県入間市鍵山2-12-41 電話:04-2963-3363 営業時間:17:00〜23:00(22:30LO) 定休日:水 
http://jonnobi-tei.daa.jp
〈越後 じょんのび亭〉
「じょんのび」とは新潟の方言で「ゆっくり」「のんびり」という意味。カウンターに座ると地元の人とすぐに打ち解けます。住所:埼玉県入間市鍵山2-12-41 電話:04-2963-3363 営業時間:17:00〜23:00(22:30LO) 定休日:水  http://jonnobi-tei.daa.jp
諸井さんと地元の中学校の後輩の新保さんが2021年3月にオープンしたばかりのイタリアン。「何でもおいしいんです」と諸井さんの言うとおり、ランチコースは、前菜、メイン、パスタ、自家製パン、飲み物とドルチェがついて3300円(税込)
〈Luce(ルーチェ)〉
諸井さんと地元の中学校の後輩の新保さんが2021年3月にオープンしたばかりのイタリアン。「何でもおいしいんです」と諸井さんの言うとおり、ランチコースは、前菜、メイン、パスタ、自家製パン、飲み物とドルチェがついて3300円(税込)
地元の狭山や入間の有機農家などから野菜を仕入れ、入間市にある行列ができるほど人気の養鶏場〈桂ファーム〉の産みたて卵を使ったティラミスは濃厚でふわりとした口どけ。ランチコースのドルチェに選ぶこともできます(単品だと660円(税込))
〈Luce(ルーチェ)〉
地元の狭山や入間の有機農家などから野菜を仕入れ、入間市にある行列ができるほど人気の養鶏場〈桂ファーム〉の産みたて卵を使ったティラミスは濃厚でふわりとした口どけ。ランチコースのドルチェに選ぶこともできます(単品だと660円(税込))
カウンター6席だが、広々としており、居心地がいい。住所:埼玉県入間市鍵山1-6-13  電話:04-2001-5291 営業時間:11:00~14:30(14:00LO)、18:00〜22:00(21:00LO) 定休日:月、不定休あり 
https://irumashiluce.com
〈Luce(ルーチェ)〉
カウンター6席だが、広々としており、居心地がいい。住所:埼玉県入間市鍵山1-6-13 電話:04-2001-5291 営業時間:11:00~14:30(14:00LO)、18:00〜22:00(21:00LO) 定休日:月、不定休あり  https://irumashiluce.com
室町時代に開山したという〈高倉寺〉は入間市の高台にあり、眺めが抜群。立派な本堂は「入間市」駅からも見えるほどの大きさ。山門をくぐり、境内には国重要文化財の観音堂があり、春になると桜が咲き乱れて一層、美しい景観に。
〈高倉寺〉
室町時代に開山したという〈高倉寺〉は入間市の高台にあり、眺めが抜群。立派な本堂は「入間市」駅からも見えるほどの大きさ。山門をくぐり、境内には国重要文化財の観音堂があり、春になると桜が咲き乱れて一層、美しい景観に。
裏参道からは加治丘陵、秩父連峰や赤城の山々がくっきりと見えます。明治16年、明治天皇の御野立所(おのだてしょ)として、ふもとにある入間川の河原で陸軍の演習があった際にこの場所からご覧になったといわれる場所です。
〈高倉寺〉
裏参道からは加治丘陵、秩父連峰や赤城の山々がくっきりと見えます。明治16年、明治天皇の御野立所(おのだてしょ)として、ふもとにある入間川の河原で陸軍の演習があった際にこの場所からご覧になったといわれる場所です。
裏参道を降りれば、〈ものくらす〉のある鍵山エリアもすぐ。入間市の街並みが眺められる、気持ちのいい場所です。住所:埼玉県入間市高倉3-3-4 電話:04-2962-2912 https://kousouji.jp
〈高倉寺〉
裏参道を降りれば、〈ものくらす〉のある鍵山エリアもすぐ。入間市の街並みが眺められる、気持ちのいい場所です。住所:埼玉県入間市高倉3-3-4 電話:04-2962-2912 https://kousouji.jp